株価が大きく下がると、「このまま積立を続けて大丈夫?」「もっと下がる前に売ったほうがいい?」と不安になることがあります。
特に、これまで積み立ててきた資産が日に日に減っていくと、長期投資のつもりでも気持ちは揺れるものです。
ただ、積立投資では株価が下がる時期も長い運用期間の一部です。暴落したからといって、すぐに売る必要があるとは限りません。
この記事では、暴落時に売りたくなる理由や、積立を続ける意味、慌てて売らないために今からできる準備についてまとめます。
株価が暴落すると積立投資はどうなる?
株価が大きく下がると、積み立ててきた資産の評価額も下がります。
せっかく増えていた資産が減っていくと、「このまま積み立てて大丈夫?」と不安になるのも自然なことです。
ただ、長く続ける積立投資では、株価が下がる時期にも意味があります。まずは、暴落したときに積立投資で何が起こるのかを整理しておきましょう。
暴落すると保有している資産の評価額も下がる
株価が暴落すると、保有している投資信託などの価格も下がり、画面に表示される評価額が大きく減ることがあります。
たとえば、これまで100万円を積み立てて、評価額が120万円まで増えていたとします。
そこから相場が大きく下がれば、評価額が100万円を下回ることもあります。
昨日までプラスだったものがマイナスになると、数字では分かっていても不安になるものです。
特に、積立投資を始めて間もない時期は、投資した元本そのものが少ないため、値下がりの影響を強く感じることもあります。
ただし、株式市場では価格が上がり続けることも、下がり続けることもありません。
積立投資を長く続けていれば、株価が大きく下がる時期を経験する可能性はあります。
「暴落が起きたら失敗」ではなく、値下がりする時期もあることを前提にしておくと、実際に相場が下がったときにも少し落ち着いて考えやすくなります。
積立投資では安い価格で多く買える時期でもある
株価が下がると資産の評価額は減りますが、積立投資では悪いことばかりではありません。
毎月同じ金額を積み立てている場合、価格が高いときには少なく、価格が安いときには多く買うことができます。
たとえば毎月1万円を積み立てる場合、価格が高いときよりも、価格が下がったときのほうが同じ1万円で多く買うことができます。
つまり、株価が下がっている時期は、同じ積立額でも多く買える時期でもあります。
もちろん、その後にさらに価格が下がる可能性もあるため、「暴落したら必ずお得」とは言い切れません。
それでも、毎月決まった金額を自動で積み立てていれば、「今は買うべき?」「もう少し待ったほうがいい?」と毎回判断する必要はありません。
高いときも安いときも同じように買い続ける。
この仕組みは、長く続ける積立投資の大きな特徴のひとつです。
含み損が出ても売らなければ損失は確定しない
暴落時には、投資した金額より評価額が少なくなり、「含み損」が出ることがあります。
たとえば50万円を投資して、現在の評価額が40万円になっていれば、10万円の含み損です。
画面には「-10万円」と表示されるため、10万円を失ってしまったように感じるかもしれません。
しかし、この段階では価格が下がった状態で資産を保有しているだけです。
40万円のときに売却すれば10万円の損失が確定しますが、売らずに保有して、その後に価格が戻れば評価額も変わっていきます。
含み損が出ていることと、実際に損失が確定したことは同じではありません。
もちろん、待っていれば必ず元の価格まで戻るという保証はありません。
だからこそ大切なのは、短期間の値動きだけを見て「下がったから売る」と判断するのではなく、もともと何年くらい投資を続けるつもりだったのかを思い出すことです。
老後など将来に向けて長く積み立てる予定なら、一時的な含み損だけで積立投資そのものをやめる必要があるのか、落ち着いて考える余地があります。

暴落すると「売ったほうがいい」と思ってしまう理由
積立投資は長く続けることが大切だと分かっていても、実際に株価が大きく下がると気持ちは揺れます。
昨日より今日、今日より明日と資産が減っていけば、「今のうちに売ったほうがいいのでは」と考えてしまうこともあります。
暴落時に冷静な判断がむずかしくなるのは、目の前でお金が減る不安や、まわりから入ってくる情報が大きく関係しています。
資産が減っていくのを見ると不安になる
投資を始める前に「株価は上がったり下がったりする」と理解していても、実際に自分の資産が減っていくと感じ方は変わります。
100万円あった評価額が90万円、80万円と減っていけば、「このまま投資を続けても大丈夫なのだろうか」と不安になるのは自然なことです。
特に、それまで順調に資産が増えていた場合は、急な下落に大きなショックを受けることもあります。
さらに、証券口座を開くたびにマイナスの数字が目に入ると、その不安を何度も確認することになります。
暴落時に資産額を何度も確認しても、株価の下落を止めることはできません。
長期投資なら、目の前の値動きだけで判断しないことも大切です。
「もっと下がるかもしれない」という情報に影響される
株価が大きく下がると、テレビやネット、SNSなどでも暴落に関する情報が増えてきます。
「まだ下がる」「今すぐ逃げたほうがいい」「○○ショックが来る」といった強い言葉を何度も目にすると、それまで積立を続けるつもりだった気持ちが揺らぐこともあります。
もちろん、本当に相場がさらに下がる可能性はあります。
一方で、いつが底値なのか、いつ上昇に変わるのかを正確に当てることはできません。
「もっと下がるかもしれない」という予想だけで売ってしまうと、その後に株価が上がったときに買い戻すタイミングも考えなくてはいけません。
売るタイミングだけでなく、買い戻すタイミングまで当てる必要が出てくるため、判断はさらにむずかしくなります。
積立投資を長く続けるのであれば、短期的な予想に合わせて売買をくり返すより、最初に決めた積立を続けるという選択肢もあります。
損失を止めようとして売りたくなる
評価額が大きく下がると、「これ以上減る前に売ってしまおう」と考えることがあります。
たとえば100万円が80万円まで減ったとき、「今なら20万円のマイナスで済む。さらに下がったらもっと損をする」と考えれば、売りたくなるのも無理はありません。
しかし、長期の積立投資では、今の価格だけを見て売るかどうかを決めると、本来の目的から外れてしまうことがあります。
老後など将来のために10年、20年と積み立てる予定だったのなら、今日の価格だけで投資そのものをやめる必要があるのかは、一度考えてみたいところです。
暴落したから売るのではなく、「なぜ投資を始めたのか」を基準に考えることが大切です。
もちろん、生活費が足りなくなった、近いうちにまとまったお金が必要になったなど、家計の事情で売却することまで否定する必要はありません。
大切なのは、「怖いから今すぐ売る」という気持ちだけで判断しないことです。
不安になったときほど、短期の値動きではなく、積立を始めた目的や予定していた期間に立ち返ることで、落ち着いて判断しやすくなります。
積立投資なら暴落時も慌てて売らなくていい
株価が大きく下がると、「これ以上減る前に売ったほうがいい」と考えてしまうことがあります。
しかし、積立投資は数か月や1年ほどで結果を出すものではなく、長い時間をかけて資産を育てていく方法です。
暴落もその長い期間の一部と考えれば、目の前の値下がりだけを理由に、慌てて売る必要はありません。
積立投資はそもそも長期間続けることが前提
積立投資は、毎月決まった金額を少しずつ投資しながら、10年、20年と長く続けていくことを前提とした方法です。
その間には、株価が順調に上がる時期もあれば、大きく下がる時期もあります。
何年も積立投資を続けるのであれば、一度も大きな値下がりを経験せずに終わるとは限りません。
大切なのは、暴落が起きないことを期待するのではなく、「長く続けていれば、下がる時期もある」と考えておくことです。
たとえば、老後に向けて20年間積み立てる予定なのに、途中の1年間だけ株価が下がったからといって、すぐに計画そのものを変える必要があるとは限りません。
もちろん、長く持っていれば必ず利益が出るわけではありません。
それでも、短期間の値動きだけで判断するのではなく、「何のために」「いつまで積み立てるのか」という最初の目的を基準に考えることが大切です。
価格が下がったときも同じ金額で積み立てる意味
毎月同じ金額を積み立てている場合、価格が高いときには少なく、価格が下がったときには多く買うことができます。
暴落時に積立を続ける意味は、「安く買えるから」だけではありません。
相場に合わせて積立を止めたり増やしたりせず、あらかじめ決めた金額を続けることで、売買のタイミングを自分で判断する必要がなくなります。
どこまで下がるのかは分からず、さらに大きく値下がりする可能性もあるからです。
暴落したときも、普段と同じ金額を淡々と積み立てる。
これなら「今が底値か」「もっと下がるのか」と考えながら、買うタイミングを決める必要がありません。
株価が上がったから積立をやめる、下がったから金額を増やすというように、相場に合わせて毎回判断するのではなく、最初に決めた金額を自動で積み立てていく。
相場の動きに振り回されにくいことも、積立投資のよさのひとつです。
暴落後にいつ回復するかは誰にも分からない
暴落すると、「もう少し下がってから買おう」「株価が戻り始めたら積立を再開しよう」と考えることもあります。
しかし、株価がいつ底を打つのか、いつ上がり始めるのかを前もって知ることはできません。
積立を止めて様子を見ている間に株価が上がり始めれば、安い時期に買う機会を逃してしまう可能性もあります。
さらに、株価が上がり始めても「また下がるかもしれない」と考えていると、なかなか積立を再開できないこともあります。
暴落の底値を当てて、さらに上昇するタイミングまで当て続けるのは簡単ではありません。
だからこそ、長期の積立投資では相場の動きを予想して売買するよりも、決めた金額を定期的に積み立てる方法が使いやすくなります。
「暴落したから何かしなければ」と考えるのではなく、家計に問題がなければ、いつも通り積立を続けることもひとつの選択です。
「暴落しても絶対に積立を続ける」と考えなくていい
長期の積立投資では、株価が下がっても慌てずに続けることが基本です。
ただし、「一度始めたら何があっても続けなければいけない」と考える必要はありません。
投資よりも優先したいのは、今の生活です。家計に余裕がなくなったときは、積立額を減らしたり、一時的に止めたりすることも選択肢になります。
生活が苦しいなら積立額を減らしてもいい
暴落時に積立を続けることには、価格が下がった商品をいつもと同じ金額で買えるというメリットがあります。
だからといって、生活費を削ってまで積立額を守る必要はありません。
物価が上がった、収入が減った、大きな出費が重なったなど、家計の状況は時間とともに変わります。
毎月3万円を積み立てていたとしても、その金額が負担になってきたなら、2万円や1万円に減らしてもかまいません。
場合によっては、いったん積立を止めて家計を立て直す方法もあります。
大切なのは「同じ金額を続けること」ではなく、生活に無理のない範囲で投資を続けることです。
積立額を減らすことは、投資の失敗ではありません。
無理をして生活が苦しくなり、結局まとまったお金が必要になって投資した資産を売ることになれば、本来考えていた長期投資を続けにくくなります。
そのときの家計に合わせて積立額を変えることも、長く投資と付き合っていくための方法です。
近いうちに使うお金まで投資に回さない
株価が大きく下がると、「安くなっている今こそ買ったほうがいい」と思うこともあります。
しかし、安くなったからといって、手元にあるお金をすべて投資に回すのは避けたいところです。
家賃や食費など毎月の生活費はもちろん、税金、家電の買い替え、車検など、近いうちに必要になると分かっているお金も残しておく必要があります。
数か月後に使う予定のお金を投資して、その直後にさらに株価が下がれば、必要なときに値下がりした資産を売らなければならない可能性があります。
近いうちに使う予定があるお金と、長く使う予定のないお金は分けて考えることが大切です。
暴落時は「安く買える」という部分に目が向きやすくなりますが、さらに値下がりする可能性もあります。
投資に回すのは、すぐに必要になる生活費や予定している支出を確保したあとのお金にしておくと、相場が下がっても慌てにくくなります。
続けることより生活を守ることを優先する
積立投資では「長く続けること」が大切だと言われます。
たしかに、株価が下がるたびに積立をやめたり、怖くなって売ったりしていては、長期投資のよさを生かしにくくなります。
ただし、長く続けることと、何があっても積立を続けることは同じではありません。
投資は将来の生活を少しずつ豊かにするためのものであり、今の生活を苦しくしてまで続けるものではないからです。
将来のための投資より、まずは今の生活を守ることを優先してかまいません。
家計に余裕がなくなれば積立額を減らす。大きな出費が続くなら一度止める。余裕が戻ってきたら、また少額から始める。
- 家計に余裕がある → 今までどおり積立を続ける
- 少し負担になってきた → 積立額を減らす
- 大きな出費が重なった → いったん積立を止める
- 家計に余裕が戻った → 無理のない金額から再開する
積立額を減らしたり、一時的に止めたりしても、それまでの積立が無駄になるわけではありません。
「毎月いくら積み立てるか」よりも、「無理をしない形で長く投資と付き合えるか」を大切にしたほうが、結果として積立投資を続けやすくなります。
「毎月いくら積み立てるか」よりも、「無理をしない形で長く投資と付き合えるか」を大切にしたほうが、結果として積立投資を続けやすくなります。

暴落しても売らずに済むように今から準備しておこう
暴落が起きてから「どうしよう」と考えるより、株価が落ち着いているときに準備しておくほうが、いざというときに慌てずに済みます。
大切なのは、暴落を予想することではありません。生活に必要なお金を分けておくことや、無理のない積立額を決めておくことなど、相場が下がっても投資を続けやすい環境を作っておくことです。
生活防衛資金を投資とは別に確保する
暴落時に慌てて売らずに済むようにするには、まず生活に必要なお金を投資とは別に持っておくことが大切です。
急な病気やケガ、家電の故障、収入の減少など、予定していなかった出費が重なることもあります。
そんなとき、手元に現金がほとんどなければ、必要なお金を作るために投資している資産を売らなければならないかもしれません。
しかも、その時期が暴落と重なれば、大きく値下がりした状態で売ることになる可能性があります。
生活を守るお金と、将来のために育てるお金は分けて考えることが大切です。
生活防衛資金として必要な金額は、毎月の生活費や働き方などによって変わるため、「必ず○か月分なければいけない」と考える必要はありません。
まずは急な出費があってもすぐ投資を取り崩さなくて済むように、現金を少しずつ確保しておくことが、暴落への備えにもなります。
暴落しても眠れる金額で積み立てる
積立額を決めるときは、「毎月いくら投資できるか」だけではなく、「その金額が大きく減っても積立を続けられるか」という視点も大切です。
毎月5万円を積み立てられる家計だったとしても、評価額が大きく下がるたびに不安になり、何度も証券口座を確認してしまうのであれば、少し負担が大きいのかもしれません。
反対に、毎月5,000円や1万円なら、株価が下がっても「今はこういう時期」と受け止められることもあります。
積立額は、家計だけでなく気持ちにも無理のない金額にしておくことが大切です。
たくさん投資すれば、その分だけ将来の資産が増える可能性はあります。
しかし、大きな金額を積み立てたことで暴落に耐えられず、途中ですべて売ってしまっては、長期の積立投資を続けにくくなります。
「暴落しても眠れるくらいの金額」をひとつの目安にして、無理なく続けられる積立額を考えてみるのもよい方法です。
値動きを毎日確認しすぎない
投資を始めると、今いくらになっているのか気になって、証券口座を何度も確認したくなることがあります。
特に暴落時は、昨日より下がった、今日も下がったと毎日の変化が気になりやすくなります。
ただ、老後など将来に向けて10年、20年と積み立てるのであれば、今日の値動きを毎日確認する必要はありません。
何度も評価額を見ることで不安が大きくなり、本来は長く持つつもりだった資産を「もう売ってしまおう」と考えてしまうこともあります。
長期の積立投資なら、あえて相場から少し距離を置くこともひとつの方法です。
自動積立を設定しているなら、毎月の買い付けは自動で行われます。
「毎日確認する」のではなく、「月に一度だけ」「数か月に一度だけ」など、自分なりに確認する回数を決めておくと、短期の値動きに振り回されにくくなります。
「暴落したときにどうするか」を先に決めておく
株価が大きく下がっている最中は、不安や焦りから冷静に考えることがむずかしくなります。
だからこそ、相場が落ち着いているうちに「暴落したらどうするか」を決めておく方法があります。
たとえば、家計に問題がなければ今までどおり積立を続ける、評価額を毎日確認しない、怖くなってもすぐには売らない、といった簡単なルールでも十分です。
一方で、収入が減ったり生活費が足りなくなったりした場合は、積立額を減らす、またはいったん止めるという条件も決めておけます。
相場の下落ではなく、「家計の状態」を積立を続けるかどうかの判断基準にしておくと、暴落時にも迷いにくくなります。
- 家計に問題がなければ、いつもどおり積立を続ける
- 暴落を理由に積立額を増やさない
- 評価額を毎日確認しない
- 怖くなっても、その場ですぐ売らない
- 生活が苦しくなったら積立額を減らす
- 家計に余裕がなくなったら、一時停止も考える
暴落がいつ起きるのか、どこまで下がるのかを予想することはできません。
それでも、自分がどう行動するかはあらかじめ決めておけます。
相場の動きに合わせてその都度判断するのではなく、自分なりのルールを持っておくことが、暴落時にも積立投資を続ける助けになります。

まとめ:暴落時こそ積立投資の目的を思い出そう
株価が大きく下がると、資産が減っていくのを見て「今のうちに売ったほうがいいのでは」と不安になることもあります。
しかし、長期の積立投資では、値上がりする時期だけでなく、大きく下がる時期を経験することもあります。一時的な値動きだけで、慌てて売る必要はありません。
大切なのは、生活に必要なお金を確保したうえで、暴落しても無理なく続けられる金額で積み立てることです。
不安になったときは、「何のために投資を始めたのか」を思い出し、家計と気持ちに無理のないペースで続けていきましょう。
