『家事か地獄か』最期まですっくと生き抜く唯一の選択

家事か地獄か
記事内に商品プロモーションを含む場合があります。

こんにちは!今回は、稲垣えみ子さんの著書『家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択』をご紹介します。

この本は、家事に悩む人だけでなく、「家事なんて無駄」と思う人にもおすすめの一冊です。

物にあふれた生活からシンプルな生活へ。それがどれだけ豊かさをもたらすのかを教えてくれます。

目次

書籍情報

タイトル:家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択
著  者:稲垣えみ子
出 版 社 :マガジンハウス

ポイント1:暴走する欲望は汚部屋のはじまり

要約

現代の私たちは、生活を便利にする家電やグッズに囲まれています。それらは一見すると家事を楽にしてくれる救世主のように思えるかもしれません。

しかし、稲垣恵美子さんの『家事か地獄か』では、「便利がもたらす罠」に鋭く切り込んでいます。

確かに洗濯機のような便利な家電は、一時的に作業を楽にしてくれますが、それと引き換えに物が増え、収納スペースを圧迫し、片付けや管理の手間が増えるという悪循環に陥ることになります。

「洗濯機でまとめ洗いが楽」と考えることで、服やタオルを増やしがちになり、結果として収納が溢れ、家事全体の負担が増すのです。この「便利=楽」という思い込みが、実は私たちを汚部屋生活へと誘う一因になっています。

感想

『家事か地獄か』が指摘する「便利の罠」は、まさに日常で感じるモヤモヤの核心を突いています。私たちは「便利になれば家事が楽になる」と信じて、多くの家電や道具を取り入れていますが、実際には物が増え、管理が煩雑になり、かえって生活が複雑化していることに気づきます。

本当に必要なのは、家事を効率化するツールを増やすことではなく、シンプルな暮らしを目指して物を減らすことではないでしょうか。便利さの追求が必ずしも幸福や快適さに直結しない現実を受け入れることが、負担の少ない生活への第一歩だと感じました。この本は、家事の本質を見つめ直し、自分にとって本当に大切なものを見極めるための貴重なヒントを与えてくれます。

ポイント2:「お姫様のような暮らし」本当にしたい?

要約

お姫様の暮らしを夢見て、その実現を目指す人は少なくありません。しかし、実際のお姫様の暮らしが成り立つのは、多くの使用人の支えがあってこそ。現代の私たちが同じ暮らしを目指しても、使用人を雇う余裕がない場合、自分自身がその役割を担うことになります。つまり、家事が楽にならない理由は、自分が「姫」と「使用人」の二役をこなしているからにほかなりません。

著者は、私たちが追い求める「可能性」が、時間とエネルギーを奪い、自分自身を欲望の奴隷にしていると指摘します。この悪循環を断ち切るには、「今ここにあるものの素晴らしさ」に気づき、可能性を追い求める生活を見直すことが重要です。それにより、家事に膨大な時間と労力をかける必要がなくなり、もっと自由でシンプルな生き方が手に入ります。

感想

この文章を読んで気づかされるのは、私たちが無意識のうちに追い求めている「理想の暮らし」が、実は自分自身を縛る原因になっているということです。便利さや豪華さに憧れる一方で、その代償として時間とエネルギーを奪われ、結局はストレスを抱えてしまう現実。この矛盾を正面から指摘してくれる著者の視点にハッとさせられました。

本当に大切なのは、「欲望を叶えるために働く自分」から脱却し、今ある生活を見つめ直すこと。それに気づくだけで、家事や日常の負担が驚くほど軽くなるのではないでしょうか。この考え方は、単なる家事効率化の枠を超え、人生全体を見直すきっかけを与えてくれます。シンプルで自分らしい暮らしを目指す第一歩として、多くの人にぜひ知ってほしい視点です。

ポイント3:家事は最も確実な自己投資

要約

一見すると利益が見えにくい家事ですが、著者はこれを「最も確実な自己投資」として位置づけています。特に「物を減らす」という行動には大きな効果があり、家事の負担が軽減されるだけでなく、生活費の削減や空間の整理整頓が可能になります。また、物を手放す過程で「自分にとって本当に必要なもの」が明確になり、経済的な安定とともに、日常生活の選択がよりシンプルになるというメリットがあります。

さらに、家事そのものが心身の健康にもたらす効果も見逃せません。体を動かし、頭を使う日常的な動作が、実は最高のトレーニングとなり、エネルギーと活力を生み出します。家事を通じて、生活全体の質が向上し、豊かな暮らしが実現するのです。

感想

「家事=ただの労働」というイメージを覆し、家事が未来の安心を築く自己投資であることに気づかされました。特に「物を減らすことで得られる豊かさ」は、シンプルな暮らしを目指す人にとって大きなヒントとなるでしょう。管理の手間が減るだけでなく、自分にとって何が本当に必要かを知る機会が増えることで、生活そのものが整っていく感覚を実感できます。

また、家事が健康や精神面にも良い影響を与えるという点は目からウロコでした。毎日の何気ない動作が、トレーニングやリフレッシュに繋がると考えると、家事に対する見方がポジティブに変わります。日常の一部である家事が、こんなにも多面的な価値を持つと知り、取り組み方そのものを見直してみたいと思いました。この考え方は、現代の忙しい生活を見直す上でも大いに参考になります。

ポイント4:便利が孤独を生む?!

要約

便利な家電やグッズは、家事を効率化するために欠かせないツールですが、それに頼りすぎると人間関係が希薄化するリスクもあります。家族で家事を分担しながら行うことで得られるコミュニケーションや、共同作業によって育まれる絆は非常に大切です。便利な環境に慣れすぎると、一人で全てを完結する生活に陥り、結果として孤独感を深める可能性もあります。

著者は、「便利さが孤独を生む」と警鐘を鳴らします。特に老後、自分のことを他人に依存せずに行える力が、精神的な安定と生活の自立を支える重要な要素になります。「便利」な生活を見直し、家事を通じて人とのつながりや自立した暮らしの大切さに気づくことが、豊かな人生を築くカギだと説いています。

感想

この文章から感じたのは、便利さを追求する生活が、思わぬ孤独を招く可能性についての深い洞察です。現代では、何でも効率化できる便利な家電が手に入りますが、それが家族や人とのつながりを希薄にしている現実には気づきにくいものです。特に家事を分担して行うことで得られるコミュニケーションや絆の価値を、便利さが見えづらくしているのだと気づかされました。

また、老後の暮らしにおける家事の重要性にも考えさせられました。便利さに頼らず、自分でできる力を身につけることが、精神的な安定や生きがいを生むと考えると、日常の家事にもポジティブな意味が加わります。「便利=楽」だけでなく、その影響や代償についても考え直す必要があると強く感じました。家事の本来の価値を再認識する良い機会になりました。

まとめ

『家事か地獄か』を読み終えて感じたのは、「家事の捉え方次第で生活の質は大きく変わる」ということです。便利さを追い求めるのではなく、自分に合ったシンプルな生活を見つけることが、これからの時代に必要なスキルなのかもしれません。

家事は面倒で避けたいもの、というイメージが一般的ですが、実は人生を豊かにする大切な行動であると本書は教えてくれます。物を減らし、便利さを手放し、自分の手で生活を作り上げること。それが、シンプルで充実した生活への第一歩です。

家事を通じて得られるのは、単なる効率化ではありません。自分を知り、心身を整え、生活そのものを楽しむ喜びです。これこそが、本当の意味での「豊かさ」ではないでしょうか。

目次